■痛くない注射を世界で唯一作れる会社が廃業へ
日経アソシエに連載コラムを持っていた時に、出ていただいた岡野さん。
痛くない注射針を開発した直後だった。
インシュリンの注射を打ち続けなければならない子供に出会い、この子のために痛くない注射針を作ってやろうと考え、
細さ0.2ミリ、蚊の針と同じ細さの注射針を2年で完成させた。
素晴らしいバイタリティと行動力の持ち主だった。
その岡野さんが、廃業をするという。従業員3人なのに年商8億円という超優良企業なのに廃業するのはなぜか?
■廃業理由は・・・
理由は跡取りがいないから・・・。
「今の教育じゃ無理。昔は中卒で職人になったから。
大学出てからじゃもう遅い。
学問で飯食うんじゃないんだから。」
十把一絡げに誰もが大学に行くようになった今、技術者を育てる環境が日本からなくなったという。
大学全入時代。
無試験で大学に入った学生は、授業中、スマフォを見ながら、
「つまんねー、やることねー。」
と友達とラインのやり取りをする。
教授は教授で、
「こいつら全くやる気がないんです。大学に来る意味もない。」
と吐き捨てる。
そんな現場を何度も見て来た。
■根底には教育の形骸化
日本の教育が形骸化している。
学校とは、社会に出るための準備をするところ。
こうした学校は何の準備をしているというのか?
今の日本の教育に足りてないものは「チョイス」。
中卒で何が悪い。
価値観や思考回路が固まって行く、10代のとても大切な時期の全てを、
自分で試行錯誤することがほぼない学校教育に捧げることが本当に必要なのだろうか。
むしろ何かを奪いとってはいないだろうか?
大学、大企業に行かなければ一人前じゃないという流れを変えなければ、日本から岡野さんのような人材はもう二度と出てこなくなる。
■大企業の在り方にも問題が?
岡野さんはこう続ける。
「うちみたいな技術は、大企業でも絶対できる。
人もいる。
やればできるけどやらないだけ。
もし失敗したら飛ばされたり、ボーナス無くなっちゃうって思うから、できないできないって言ってた方がいい。
俺は何回も何回も失敗したよ。自分は学歴がないから技術で勝たないとダメだと思っているから、失敗を恐れずチャレンジできた。
大企業もチャレンジしないとダメだね。
先頭に立ってる人が犠牲になんなきゃ。
自分だけがいい思いしようっていうのはだめ。それだけだね。」
ほんと、それだけだと思う。
■羽根からのメッセージ
大学生に告ぐ!
大企業しかないという選択肢を改めましょう。
大企業はダメだとは言いませんが、トップ自ら、挑戦を続けている会社に是非、行ってください。
多くの大企業はそうではないということを強くお伝えしておきます。
高校生に告ぐ!
大学に行かなくても大丈夫です。
下手な大学に行くのなら、海外に行ってください。
中学生に告ぐ!
没頭できるものを見つけてください。
寝食を忘れて没頭できるものを見つけることが、10代の時、もっとも大切なことなんです。
小学生に告ぐ!
遊んでください。
朝から晩まで遊んでください。
できればゲームではなく、野山で遊んでください。
自然の中で学べることは本当に多い。
でも、野山がもう都会にはないんですよね。
大人に告ぐ!
形骸化した、こんなもんですよねという日本の教育、自然に触れることもできない都会の生活、この程度だろうと言う日本の政治、そして、これで十分じゃないのと思っているあなたの人生・・・。
そろそろ、挑戦し直して見ませんか?
●世界に誇る「痛くない注射針」、あの岡野工業も!大学全入時代で中小企業の廃業続々(Abema TIMES)! http://blogos.com/article/266642/?p=1