■新しいキーワード「コミュニティーの成長支援」
さて、数日前、元シンガポール官僚、Leeさんを採用し、アジアにうって出るという話をしたが、
今度は、もう少し具体的に、僕らが20周年を迎え、これからどこに向かおうとしているのかについてお話ししてみたい。
キーワードは、「コミュニティの成長支援」である。
僕らはこれまで「人間の成長支援」を掲げてきた。
個人や組織がどう成長するのか?
その原理原則を研究し、具体的な方法で、明確な結果を引き出せる人材育成支援を行なうことに努めてきた。
明確な結果、にこだわってきた。
多くの人材支援は、言葉を投げかけるだけで、大した成果は引き起こせていない。
僕らは明確な結果を出すために、何をすべきかにこだわってきた。
成功もし、失敗もしてきた。
特に、人数が多い大企業の支援において、多くの貴重な体験を得ることができた。
組織を変える時、「最後は人です」と言う人がいる。
それは事実だ。僕らも何度もそう言い続けてきた。
■人を動かすエネルギー「モメンタム」
しかし、その人を動かすものがある。
「モメンタム(=momentume、勢い、運動量)」である。
モメンタムとは、人間が繋がり、共感し会うことで生まれるエネルギーのことだ。
これが強ければ、大きなうねりが起き、これまでにない成果、時には革命のようなものさえ起こすことができる。
これが弱ければ、ほぼ改革は失敗する。
笛吹けど踊らず、と言う言葉がある。
社長が大号令を発しても、モメンタムが起きなければ、何も変わらない。
ミッションステートメントを作っても、そのミッションに対するモメンタムが社内で発生しなければ、誰一人、そのミッションにそった行動などしない。
どんなに素晴らしい車でも、ガソリンを燃やし、エネルギーを発生させないと車は前に進まないように、
人間の集団でも、エネルギーを発生させないと、前に進むことはできないのだ。
しかし、意外に多くの会社は、そのことの重要性に気づいていない。
大きな会社はもちろん、5、6人のチームであってもモメンタムは大切な役割を果たす。
僕らは途中でそのことに気づき始め、マネージャー層にモメンタムの起こし方を教えてきた。
モメンタムは、受動的な時には生まれない。チームメンバーに役割を与え、能動性を喚起することができた時に、強いエネルギーが生まれる。
人が組織を動かす。しかし、モメンタムが起きれば、今度はそのモメンタムが人を動かす原動力となっていくのだ。
国や自治体の多くの取り組みが失敗しているのは、モメンタムの重要性を理解せず、ただ機械的に方向性を示すことしかやってこなかったからだ。
一方、首長が見事にモメンタムを作り出すことに成功している自治体などは、変革に成功している。
■新たなモメンタムの時代
近年、組織やコミュニティが、テクノロジーの変化によって、これまでにない形で繋がりを強化できる時代に入ってきた。
僕が関わっている「にっぽんの宝物」では、全国の事業者が、スマフォやSNSを通じて、県を超えて繋がり、
互いに学び合い、海外にまで影響を与えるようになってきている。
10年前までは不可能なことが可能になってきている。
これからは、モバイル、SNS、さらには映像ツールを駆使することで、
これまでにはない形でコミュニティに大きなモメンタムをもたらすことが可能になっている。
こうした現状が、人類の進歩に大きな意味をもたらすであろうことにワクワクしている。
■悪用もされてしまうモメンタム
しかし、一方で、コミュニティ成長の加速化は、今後、人類を危険な方向に導く可能性も孕んでいる。
Brexitやトランプ大統領の勝利は、これまでスポットライトが当たらなかったマイノリティの声を集約することができたと言う意味においては素晴らしいが、
国を分断し、これまでにはリーダーになり得なかった人をリーダーにする危険性もはらんでいる。
日本は今、選挙戦の真っ只中だ。
選挙の成否は、モメンタムによって大きく変わる。
■アクティブラーニング社としての貢献
僕らはこのモメンタムの起こし方がやっとわかってきた。
まだまだ研究しなけれならないこともあるのだが、毎日毎日、いろんな発見があり、この分野こそ、これからの社会でとても大きな意味を持っていると考えている。
モメンタムを正しく起こせれば、社会をより良い方向にシフトすることができうる。
モメンタムを誤った方向性に導けば、人類を破滅させることもできうる。
だから僕らは、より良い方向にモメンタムを起こそうとしている自治体や会社、さらにはプロジェクトを支援し、自らも世の中に良い影響を与えうるモメンタムを社会に発していきたいと考えている。
その気持ちを、アクティブラーニング社のウェブページのフロントページにも置くことにした。
是非、パソコンで見て頂きたい(スマホでは静止画のため)。
明日、こうしたモメンタムを加速化させるために大きな発表を行う予定である。
お楽しみに♪